ほとんどできてない 効果的な模試の活用法 |ブログ|株式会社Lacicu

ほとんどできてない 効果的な模試の活用法

ほとんどできてない 効果的な模試の活用法

今回は「模試」の効果的な使い方について書いていきたいと思います。

夏以降には月に1回、生徒によっては月に2,3回模試を受けることになると思います。
大学受験における模試の活用方法について、何か参考になればと思います。

あまりよくない模試の活用法

模試が返却されたときに、生徒が真っ先に確認するのが「点数」や「偏差値(順位)」、「合格判定」でしょう。

なぜこれらの情報に真っ先に目が行ってしまうのか、それは、数字や判定が極めてわかりやすい指標だからと考えられます。

確かに、「今回の模試の結果」について詳しく知りたいのであれば、これらの情報はとても重要です。
しかし、受験勉強の目的である「本番で1点でも多くの点数をとる」という観点から言えば、そうでもありません。

その理由を、よく面談などで見られる事例とともに説明していきます。

「夏までに英語を20点あげよう」

返却された模試の結果をもとに、次回の模試での点数を目標として定める生徒さんは多いと思います。

「え、何がいけないの?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

理由は単純明快、テストの問題は毎回異なるからです。

毎回テストの問題が同じであればいいのですが、模試は1回ごとの問題や難易度が必ず異なります。

わかりやすい例を挙げれば、平均点40点のテストでの50点と、平均点70点のテストでの50点では、同じ50点でも内容が大きく異なります。

以上の理由から模試の点数は、今後の受験勉強における目標設定の値としてはイマイチです。
あくまでおおよその目安として捉えましょう。

「夏までに偏差値を10あげよう」

上記のことは多くの方がわかっていらっしゃることだと思います。

そこで皆さんが目標設定に使用するデータが「偏差値(順位)」です。

偏差値であれば、どの模試においても「全体の中でどの位置にいるのか」を示す指標なので、自分の実力の推移をはかるという意味では有用です。

では、なぜ目標設定としてよくないかというと、偏差値の数値は他人によって大きく左右されるからです。

極端な例を言えば、他の受験生が次の模試まで全く勉強しなければ自分の偏差値は間違いなく上がってしまいます。

受験勉強で重要なのは、「自分で決めた目標に対して、着実に努力し、達成していくこと」です。
このように他人の状況に大きく依存してしまうような数値は、目標設定としてはあまりよくないと言えるでしょう。

「C判定だと合格は厳しいから、志望校を変更しよう」

合格判定が出るというのは模試の最大の特徴ですが、これで志望校を変更してしまうというのは非常に危険です。

あくまで模試というのはそれを受けた時点による判定であり、点数に反映されなかった学力の成長は全く反映されていません。

また、A~Eという5段階の大まかな判定しか表示されないので、B判定とC判定でも実際には順位が1つしか違わないこともあります。

このデータは、特に生徒さんにとっては非常にインパクトの大きいものになりますが、重要度でいえば最も低いと言っても過言ではありません。

※ただし入試直前の模試では、これらのデータ(特に偏差値と合格判定)は受験校選択において、とても重要な指標となりますので、ここで提言しておきます。

模試では復習が命!

さて、上記ではあまりよくない模試の活用方法をご紹介しましたが、
「じゃあいったい何をどうしたらいいの!?」
と思う方もいらっしゃると思います。

模試は今までの努力の結果を表すものではありますが、それだけで終わらせてしまっているのは非常にもったいないです。

では模試は何に活用するのか、それはズバリ「復習」です。

模試は復習には最高のツールです。

なぜなら、自分の解答はもちろん、他の受験者の解答のデータまで事細かに分析されているからです。

それでは、具体的に模試におけるどのデータをどのように復習に活用していけばよいのかをご紹介します。
(以下、文章が少し生徒向けになっていますが、参考になるところがあれば、先生から生徒さんにお伝えいただけますと幸いです。)

正誤表や得点分布で自分の弱点を見つける

模試の大きな特徴の一つに、「範囲がないこと」が挙げられます。
そして当然、大学入試にも試験範囲はありません。

すべての範囲から出題される模試だからこそ、自分がどの問題で間違えたのか、どの部分が不得意なのかを確認するのにはうってつけです。

また、解けているからといって安易にできると判断するのも危険です。

模試の問題と自分の解答、そして正誤表や得点分布をしっかり照らし合わせて弱点を探しましょう。

回答率でとるべき問題、とらなくていい問題を見極める

試験問題には、大きく分けると
①絶対に間違えてはいけない問題
②正解すれば周りと差をつけられる問題
③間違えても合否に影響しない問題
の3つがあります。

①から③に向かうほど難しく、大学に合格できるのは②までしっかり正解できた受験生と考えて差し支えないでしょう。

この①から③へのカテゴライズは、模試の結果と一緒に返される正答率を見ればある程度は可能です。

この③に該当するような問題は、いわゆる「捨て問」と呼ばれるようなものですが、制限時間が決まっている試験ではこの捨て問を見極め、効率的に解答していくことが求められます。

自分がどのレベルの問題は正解しなければいけないのか、どのレベルの問題は解けなくていいのかをしっかり把握しましょう。

自分の答案と模範解答を見比べて、解答のクセを見つける

これは、記述式の模試が返ってきたら必ずしてほしいことです。

というのも、記述式の問題においては、
「書いた文章量の割に思ったより点数が取れなかった」
ということが多々起こります。

そもそも間違ったことを書いている場合は減点されて当たり前ですが、そうでない場合は、「解答の書き方にクセがある」ことが原因だと考えられます。

大学入試の記述問題では、「誰が読んでもわかりやすい、かつ同様の解釈ができる解答」が求められています。
思ったより点数がとれていなかったのであれば、「自分では理解できているけど他人にうまく伝えられていない」可能性が高いのです。

クセのある自分の解答とは対照に、模範解答はどの受験生よりも美しい解答です。

生徒の答え方のどこが悪かったのか、模範解答と比べることで見えてくると思います。

さいごに

偉そうに書いてきましたが、私自身、大学受験の際に模試が返されるとその結果にただ一喜一憂しているだけでした。

そして、これは多くの生徒さんに共通することだと思います。

少しでも模試をうまく活用できるように、生徒さんにお伝えください。

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